王女メリサ2/atsuchan69
 
たとき、母さんはふたたびもどります」
 メリサの着せかけの服をなおし、「いま話したこと忘れてはダメよ」そう言って立ちあがると窓辺にたたずんで青くひろがる湖面のゆらぐさまをしばらく眺めました。「うつくしいわ。悪意のない、ありのままの景色・・・・」
 風もなくおだやかな湖面にいつあらわれたのか一羽の水鳥がうかんでいました。



 やがてゆらぐ湖面にうつす影はあたらしい国王と妃をむかえる城の周囲の華やかなもようでした。音楽隊がすすむとそのあとを馬にのった警護隊がつづき、またそのあとをさらに警護隊がつづきます。沿道をかこむ人垣のなか、幾輪にもなった警護の者にまもられ銀色の馬車が今しも入
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