月夜見歌/朱雀
 
痺れを切らす その前に
 ふらりと浮かぶ 臥待月(ふしまちづき)
 孤衾を敷く手に 三度の迷い

二十日月
 やがて夢路に 潜る境の
 夜更けに出(いで)し 更待月
 おぼろに眺めた 木の四つ

二十三夜待ち
 真夜(まよる)に昇る 弓張りに
 二往の願立(がんたて) 夜を明かす

晦(つきごもり)
 巡る月日に 思いなずらえ
 寄せては返す 虚舟(うろぶね)が
 月に習って 川傍に隠れ
 光彩放つ 新月を待つ

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