それは、冬の公園で/soft_machine
 
ゆく
とび立つはずのひいばりの
のどを焼きつくし
きみの世界が
ひとり、芝生からゆびを伸ばして
誰もいないプールに
金網ごしの
別れを告げる

冬の公園は
きみのほか何も見あたらない
きみはふるえるはり金のように走って
やがてゆげをあげながら倒れ
半円で
たったなないろの
圏にとじ込もる

いろ薄いこもれ陽は
きみ以外の誰を照らすこともなく
風はかた時も目をつむらない
夜になるときみだけが
水のなかにあって
夢をみる
いき場所もなく凍み
かすかな燐が燃えている




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