君の歌を聴いて/はじめ
 

 複雑な感情が入り交じった僕の気持ちも君の元へと向かっていく

 僕の気持ちと君の気持ちが出会って結び合わさる

 そこで君と僕は出会う

 憂鬱な四月の夜に君と僕は出会った

 でも本当に出会ったわけではないけれども

 少しずつ手に取るようにわかるように僕は君に近づいている

 君の気持ちは全てこの風に乗って僕の心に伝わってくる

 まるで母と子を繋ぐ臍の緒みたいに

 君の残像を僕は触れる

 君の残像にキスをする

 いつしか僕は君に出会っている

 君の姿は無いけれど

 僕は君に重なることができる

 僕は君を抱き締めることができる

 君の唇は僕のもので

 君の瞳は僕のものだ

 この部屋には静寂さが戻っている

 僕のいた部屋と同じ雰囲気のする部屋

 君の温もりを感じる

 君は何処へ行ってしまったのだろうか
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