記憶/
多久蘭乱
静かにまわる足踏みミシン
ベルトをはずしてるときだけ
遊んでもいいと教えられた
今そこで遊ぶのは君
私の娘
手をはさまないでね
はじめて乗った飛行機
大都会の遊園地
ここに住みたいと
ダダをこねた
今そこで遊ぶのは君
私の息子
忘れないでね
時はまわる
いつか将来
やわらかい日差しの中
君たちも同じ目で
あふれそうな目で
多久蘭乱/「記憶」より全文
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