影2/yoshi
 
は悪化の一途をたどったそうだ

27歳の誕生日を迎える事が出来ず

この世を去ったのだ

そしてその女は言った

彼女は僕の事がずっと好きだったと


何もしてあげられなかった

どんな言葉もかけられなかった

僕は

なんて臆病者なんだろう


しかし


僕の中で

彼女は永遠となった


雨の日は憂鬱だ

あの空き地にいけないから


上司はさっきからグダグダと小言を言っている

時おり声を荒げながら怒鳴ったりしている

夕方、営業先から帰る途中にある大きな川の川辺で

彼女の事と仕事の事を

半分半分に考えながら

僕は手にした石を

ぽんぽんと放り投げた

応えられなかった愛に

応えられなかった期待に

僕は正面から向き合おうと思った

それがまず

始めの一歩のような気がしたから









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