セツナレンサを聴いて/はじめ
 
 世界が終わってしまったような気がする

 この曲をずっと聴き続けて夜道を歩いていると

 辺りはしんとしたように静かで物音一つしない

 世界中の風が止んでしまったかのように空気は淀んでいて生温い

 気温が高いせいか地面の雪は溶けて道がぐちゃぐちゃに氷付けされている

 世界が死んでしまった匂いがする

 地上を照らす星達も月も死んで消えてしまった

 世界は冷凍庫のように閉ざされこの曲だけが耳に響いている

 僕は動くことを止めた

 地面の氷を砕く音が辺り一面に広がった

 僕は再び歩き出した

 暑くなったのでジャンパーを脱ぐ

 ジャンパ
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