果して愛は・・・/こしごえ
 
果して
愛は
枯れないだろうか

愛はいのちを生かす
愛はすべてに宿っている
愛は忘れ去られることはない

しかし果して
愛は
死なないだろうか?

木の葉が光をみつめている
かたわらで小鳥が風へささやいている
その下で私は呼吸をしている

いくつもの時をこえて
あいに来た
その手の温もりは
たしかなまぶしさをもって
つながっている

光の道の途中で
かなしさにとけた透明な闇が
波紋となって響いている
最果てのように想像もできない境地へ
芽吹くのはどんな花だろう

この手に持った
鉛筆はあさってを知ることもできるのに
この鉛筆の先は
いまでも「愛」とは上手に書けないでいる








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