予兆/ユキムラ
あたしの指に光るもの
あなたの視線を感じる度に、何故だか胸が苦しくなります。
「どうして・・・」
あたしは彼に、こんなにも愛されていると云うのに。
我が儘だね、あたし。
きっと今、心から満たされてしまっている事に不満なんだ。
満たさないで。いつも不安でいたいの。
あたしの安っぽい欲求なんて、一つだって叶えないでいて。
そう、何一つとして。
もっと冷たくしてほしい。あしらってほしい。
お願い
酷いこと、して
今、あたしは・・・
愚かすぎる、あたしは・・・
彼とは違う、あなたの視線に揺れています。
春、
柔らかな陽の光のせいでしょうか
それとも、
暖かな風のせいでしょうか
何だか今、とても落ち着かないのです・・・
こんなあたしを、貴方は責めますか?
軽蔑、しますか・・・?
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