[ きんぎょ ]/
渕崎。
紅いきんぎょ が 鉢に一匹
ゆらりゆぅらり 薄い羽衣靡かせて
天の水面 で 喘々(あえあえ)ぐ
えらは 最早 役立たず、 紅い唇戦慄かせ
健気健気 に、 喘々(あえあえ)ぐ
その苦しさはいかほどか、 綺麗な檻には硝子の敷石
それでもきんぎょ は、 孤独に震え
今日も健気 に 泣き、濡れる
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