十二月上旬の金曜日の午前中は幻想的だ/はじめ
十二月上旬の金曜日の午前中は幻想的だ
閉ざされた世界が僕の目に焼き付く
そこは僕の理想郷だ
一瞬の探究が凍り付いて永遠となる
永遠の結実が物語を創るエネルギーとなる
僕は逃げてばかりいた
その奥にあるもの
僕が生まれつき持っているものと同じもの
時間をかけてゆっくりと掬い上げていこう
僕が昔欲しいと思ったもの
僕が時々欲しいと思うもの
それを手に入れたい
それを手に入れて僕は足りない物を埋めるんだ
渇望する愛とは違うもの
ノスタルジーの心に似たこの想い
画面の向こうでは激しく雪が降っている
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