よるにとぶふね/haniwa
 
ですか

むり
五時前には起きれん

あたし起こしますから

トモだって
暗くなるまで起きれないっていってたじゃん

がんばって起きます
絶対ですからね
というわけでじゃあ
あたしはもう寝ます
おやすみなさい


トモちゃんはいつのまにか空になった洗濯かごをもって
階段を下りていった

詩人といっても
もう読むべき詩なんか
なにもない
なにもないのだ僕には

しょうがないから
あしたは
ヒロシくんのディランのベストを又貸しして
かんべんしてもらおうと僕は思った

そして
タバコに火を付ける


洗濯物が物干し竿にぶらさがっていて
四角い夜空にはかすかに
星が



5.

ぼくらの船は夜に飛ぶ
三相交流モーターを回して
星明かりにかざす布きれのような帆
とどかない昼へむけた手紙
それは結局
幾光年離れた星々だけが読める
信号のように
”ボクラハココニイマス”
詩と呼ぶには短すぎる
”ボクラハココニイマス”
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