cry for the moon/三架月 眞名子
 
私はこぼす

  

   私に足りないもの
   ありすぎて浮かばないわ
   星に願いを
   月に祈りを捧げれば
   満月のように
   完璧な形を手に入れられるの?


と・・・


君は微笑む

    

   月のどこが完璧なのだろう
   あんなに表面はでこぼこしていて
   不ぞろいな石が山ほど転がっていて

   月が美しいのは
   沢山の傷を抱えていても
   自ら光を発することが出来なくても
   それでも輝こうとしているからなんだよ





私はまたこぼす

今度は瞳から

感情の雫として

    

   それなら
   私は太陽にはなれないけれど
   月にならなれそうな気がする


と・・・



そうして

君の肩にそっと頭を預ける




君はたぶん微笑んでいる



 



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