いつかの梨/ゆうさく
に
お小遣いをもらい
おじいちゃん、また来るからと
作り笑顔を見せて
おじいちゃんに別れを告げる
(ごめんなさい)
帰ってから
もらったお小遣いで
ゲームソフトを買った
そんな遠い記憶を
ふと思い出した高3の夏
今頃になって
恋しくなった梨
みずみずしい梨を
つまようじに
刺して食べてみる。
色づいていない梨は
とてもおいしかった
あのときおじいちゃんは
一つの色づきすぎた梨を
寂しげに眺めていたのだろう
(ごめんなさいごめんなさい)
「ごめんなさい」のリフレイン
いつか天国の
あなたに届くまで
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