握りしめる闇、ねじれた雨/たりぽん(大理 奔)
闇の中で抱きしめる
体温だけを信じられるように
つまり、それはそう
あなたを想うだけで
私はどんな場所でも
世界の果てにすることができる
孤独は誰かを欲しいと感じる気圧
星だっていつかは消える
覚悟だってできている
明滅する信号に照らされる
かすれた歩道を濡らすもの
東の山のてっぺんで
雲とそらを渡るかのように
稲妻の足音
シベリアなまりの北風が
斜めの雨をひねって
ねじれて、雪に変わる
奪われる
うばわれていく
闇の中でただひとつ
求めていた
私のものではない温度
ほんとうの孤独を
手に入れるたびに
握りしめる
電気仕掛けの小さな闇
雨のねじれてしまう夜に
どんなばしょにでも
つたえて欲しい
握りしめるだけで
それだけで
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