完璧なスマイルで/
三架月 眞名子
沈黙した
すると彼は
もうおしまい?
という顔を浮かべて
笑った
笑った
笑いながら
私の不安の絡まりを
一つ一つほどき出した
丁寧に
確実に
あやす様に
気がつくと
絡まりは一本の線に戻っていた
涙は乾ききっていた
私には
気まずさと恥ずかしさが残った
悔し紛れに最後に一言
私でいいの?
と聞くと
彼はなにも言わずに
笑った
笑った
完璧な笑顔で
あぁ
私は
この笑顔には勝てない
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