ケータイ電話/はるこ
 
わせをしてみようと思う。
あたしの喜怒哀楽の発端を担う彼女から、きっとメールが来ているはずだ。
好きでたまらない。けどたまに憎くて仕方がなくなる。
彼女の幸せを手放しで喜べなくなる。
あたし以外の女の子の話をしていると耳を塞いでしまいたくなる。
名前が出てくるだけで胸がぎゅっと縮まる。
まるでコドモだ。
きっと今日もことばを読むと、哀しくなったりするに違いない。
それでも見やることはやめられない。彼女から離れられない。

そうしてケータイ電話をまたぼんやりと見つめる。
もしかしたらあたしはこの小さい画面に
ただ、支配されたいだけなのかも知れない。
彼女に、支配されたいだけなのかも知れない。
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