「 初夏によせて 」/椎名
 
花が散り
まぶしいほどの若葉
風にゆられ
さわさわと

通り過ぎてしまった春に
夏の到来を思わせるような
強い日差し

ここにきて何度目の春だろう
通り過ぎていった思い出と
かなしみ

季節が変わるたびごとに
うつろい続ける心を抱いて
見上げては溜息
見上げては笑顔

空だけが全てを見ている

戻る   Point(2)