霧の森/
春日野佐秀
私は霧に包まれていた
霧の森を長いことかけて歩いて行った
霧は深く 晴れることを知らない…
扉を見つけた
霧の森で
開けようとも思っていないのに
その扉は開いた
でも
その先も霧に包まれていた
小さな湖があった
温かいようで
冷たいようで
ちょっとにごった水
小石をけったら
水面に波紋が広がって
ちょっと不安になってしまった
そしてあの人の姿が
浮かんで
消えた
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