「この涙が途切れたら」/和 路流(Nago Mitill)
 
この涙が途切れたら
もう一度、前を向いて歩き出す。

前に進む気がある限り
きっと 人は
何度でも立ち止まることを許される。

泣いてもいいのだと、
もっと 声を上げてもいいのだと、
誰かが僕に、呼びかけている。

強さだけを求めて
涙を、こらえてみせても
心の奥底に、冷たい塊を
ただ、育てて押し込んでいくだけ。

涙に変えて、すべてを
頬を伝う止めようもない雫にする。

涙ならば、いつか途切れる日がくる。
その時が来たら
もう一度、前を向いて歩き出す。

                (2006年・筆)
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