見えるのは一面の青空と、白い雲。/くろねこ。
泣きたくなるくらい、きみのことが好きなんだ
そう言うと貴方は本当に涙をぽろりと零した
それはきらきらと輝きながら貴方の頬を伝って
静かに私のおでこに落ちた
そんな貴方に抱き締められながら
ああ、私は本当に愛されてるんだなあなんて思いながら
ただ貴方の肩に顔をうずめていた
泣きたくなるくらい、きみのことが好きなんだ
そう言うと貴方はやっぱり涙をぽろりと零した
どうしたらいいかわからない私は、ただぼんやりと貴方の腕の中で
貴方の声を聞いていた
好きなのに
泣きたくなるほど私のことが好きなのに
どうして貴方はそんなに悲しそうに涙を流すの?
泣きたくなるくらいきみのことが好きだから
だから、さよなら。
そう言うと貴方はそっと力を抜いて
私はやわらかな大地に横たえられた
この木の下で私は毎年
貴方のために花を咲かせると誓おう
さようなら愛しい人
私はもう動かないらしいけれど
わたしもなきたくなるくらい、あなたのことがすきでした
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