如月駅/
Rin K
足りなくなった言葉を見失ったままだった
線路沿いは
君が振り返ったあたりから
もうつぼみが開くだろう
花びらは、こころのかたち
今年もまた、思いの数だけ 白く
白く舞うのだろう
ひとひらは君の
ひとひらは―――
追いついてもう一度だけつないだ手を
そっ、と離して 風の
ゆくさきを追いかけたら
そこには春を予感したような
さくら色の空が広がっていた
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