箱入り娘/
とうどうせいら
あの人が縁側で
たばこを吸っていた。
たばこって美味しい?
と、私は聞いた。
うーん。
その人はうなって、
「美味しい」ってわけじゃ、
ないんだけどな。
と言った。
癖になってるよね、
と灰皿にくちゃくちゃ押し付けた。
そうか。
もう
なんで吸ってるのか
自分でもわかんないんだ。
たばこが
憎らしかった。
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