「さよなら、愛しい君」/和 路流(Nago Mitill)
 
るものは、きっと そこに見つかるから。

だから どうか
手をのばして新しいものを世界に求めること、恐れずにいて欲しいんだ。
真っ直ぐに前へ、生きていって欲しいんだ。

もう、泣かないで。
僕が溜めておいた、僕の一生分の涙を
僕は、君に残していくから。
君の胸が、乾いてしまわないように。

瞳を閉じた、夜空の下の君
君が、その目を開く、今、
僕は、君に向けて精一杯ほほえむ。
まだ僕は ここに、君の隣に居るよ。
ここに居られるあいだは、僕は 精一杯 君の涙を受け止める。
でも、もし僕が ここに居られなくなる、その時が来ても
君は生きていって
さあ、前を向いて
僕の愛する君の命は、とても とても 美しいのだから。

さよなら、 愛しい君。

                                                           (2000年・筆)
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