心の中/茉莉香
 
手から零れ落ちる愛情と呼ばれるものは
飽くことなく吸い取られてゆく
出会った頃より終焉を予期し夜な夜な涙する
弱さを強さにかえる儀式はいつしか止まり
心に積もる穏やかな火は私を包み囁く

この穏やかな火を消そうと試みる
数々の言葉貴方の行動
無意味なものに意味を見出し
傷を抉り自分をも切り刻む

孤独と戦う事に疲れ果て
愛を欲する貴方の仕草も私には
子供の甘えのようにしか感じられないのです

素直になりなさい
傍にいるでしょういつも
なぜ自分の心にすら気がつかないのですか

私は母のようにはなれませんもの
気がついたときには遅すぎるかもしれません
私は母ではありませんもの
その扱いにもうそろそろ疲れてきましたの


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