完成/水在らあらあ
僕が働く村は 小さな漁村で
大工仲間のゴルカ君と ベンチに座ってお昼ごはんを食べる
ゴルカ君の奥さんのロシェさんはお料理の先生で
ゴルカ君の持ってくるお弁当はいつもキラキラしている
ゴルカ君はだいたいオレンジ一個かまたはりんご一個
くるみを少々 デザートに持ってくる
くるみは素手で コンクリにたたきつけて割る
オレンジの皮を うまく円盤型に剥いていっては
小さなフリスビーみたいに港の水へ投げる
僕らはいつもだいたい決まったベンチで
とおりすぎる貨物船などを見ながら とりとめもない話をし
道行く人たちに挨拶しながら食べる
道は一本しかないから みんな知り合いになる
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