現実逃避/はじめ
 
何から書いていいか分からなくなるのはいつもと同じ
 僕は水の上に立っている
 神様からそういう力を与えられたのだ
 こういった永久に続くであろうゆるゆかな時間が世界に充満していると
 僕は実に楽な気分で詩を書くことができる
 詩の腕を磨く為にはまだまだ覚えなくちゃならないことがいっぱいあるけど
 雲の上にいるような気分で詩を書くことができるのは実に楽だ
 地獄にいる友に詩を送るのはあまり気が進まない
 夜の頂点まであと五分
 シンデレラの魔法が解けるのもあと一分
 シンデレラは南瓜の馬車に急いで乗り込んだ
 しかしシンデレラが今の時間に存在しているとは思えない
 時計は
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(2)