第2章/はじめ
はじまりはいつも闇
闇
闇
白い風が渦を巻いて出てきたのは赤ん坊
幻聴 ハイハイして渦の中を飛び出した
これからろくでもないことをしようぜ
と僕は赤ん坊に言う
赤ん坊を抱いて
断崖絶壁から朝日を見ていた
つまらない と呟いたあひるが脳裏を過ぎた
昨日眠っていないから眠いと僕は呟く
僕は飛び降りた 景色は変わらない
いつもいる部屋とはまったく違う場所
朝日が眩しい
僕は落ち込むことになるだろう
考えていることを気にしなければいいのだ
僕はうつ伏せの格好で赤褐色の地面に倒れていた
僕の中にはまだ電池の切れていないメロディーが残ってい
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