内緒話/川口 掌
 
なんとなく笹身が食べたくなった
馴染みの肉屋を覗いてみる

「おじさん笹身ある?」
「おぉっ!活きのいいのが入ってるよ」
二つ位は食べれそうだ
「じゃあ二本ちょうだい」
g108円の秤がちょうど100gを指している
おじさんが辺りを見回し笹身をもう一本取り出した
「かぁちゃんいねぇなっ!」
「一本サービスしとくよ!」
「また来てくれよ!」
「かぁちゃんには内緒にしといてなぁ」
三本になった笹身を食べ切れるかなぁと悩みつつお金を渡し店を出る

この店のおじさんはいつもこうやって何かしらサービス品を付けてくれる
逆におばさんの方は料金の端数をサービスしてくれる
どちら
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