初恋の日々/yoshi
雲間に見え隠れする太陽が
時おり暖かな日差しをくれて
今日は暖かくなりそうだと
ラジオが言っている
私は
学生カバンの蓋を
開けたり閉めたりしながら
となりに座っている老人の聞く
ラジオの音に耳を傾けた
いつも来る
この公園のベンチで
いつもの角度で彼を見る
いつもの老人の
いつも聞いているそのラジオ番組は
妙に気が抜けていて
耳に心地いい
彼が
グローブからボールをこぼし
先輩からやじられながら
駆け足でボールを拾いに行く
ボールがこちらへ転がるから
私は目を伏せる
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