きみをくん/umineko
 
の仕業

 結局
 きみをくんは尋ねなかった
 私の
 一番恐れていた言葉
 おねえさんならどうしますか?
 たぶん私は答えるだろう
 もっともらしい理由
 さっきまで詰所で読んでいた
 雑誌のページをひもとくように

 だけど
 きみをくんは尋ねなかった
 だから私は何も言わない
 何も言わなくていいだろう
 夕陽は
 窓際のポプラを揺らすみたいに
 きみの胸へと

 ゆっくりゆっくり落ちてゆく
    
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