雨雲に覆われた地球/はじめ
 
だけの世界
 車の走らない地域 嫌な音を立てない
 季節は冬に差し掛かろうとしている
 冬になっても雪は降らず毎日雨が降り続くのだ
 僕と君は愛し合う
 巨大な燕に乗って決壊しない雲を突き抜けたい
 地球は雨雲で覆われている
 数百年後
 地球人初の宇宙飛行士は言うだろう
 地球はグレーだったと
 水に困ることはない
 僕は自分の家で女の子を待っている
 夜になると眠りを助長してくれる
 楽しい雨の夜
 朝起きたときは雨だと少し憂鬱だが
 詩を書いて
 午前の雨は家族のいない僕に安らぎを与えてくれる
 女の子が木の下で立っていた
 僕は彼女を迎えに行き 中へ入れてあげた
 僕の愛する彼女
 彼女は髪を拭きながら笑っていた
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