わが実験艦シュレスヴィッヒ・ホルスタイン/大村 浩一
いカーステレオみたい。
機械いぢりは素敵。
女いぢりは素敵。
(だからどっちもあんまりさせてもらえない)
銀座・白ばらに行って地元静岡の女と話す。
神田大衆パブ・サンに行ってナマイキな娘っ子と話す。
実験艦シュレスヴィッヒ・ホルスタインは
いまでは川崎駅南口堀の内界隈のように雑然。
船上レストランではドイツ料理。
そのウエイトレスの太り肉の女の尻に
なせか触ってはいけない事になっているので
(そのくせミニスカートとは
何か勘違いしている料理店だな!)
イライラさせられたまま、
色々横断幕垂れ下がった汚い鳥の巣の如き有様のまま、
何を実験していたのかさえも忘れたまま、
徹夜続きの言葉の実験艦シュレスヴィッヒ・ホルスタインは
春狂いの揚子江をぐるぐる回りながら下っていく。
機雷だ!
※桐島いつみの漫画から
平居謙 主宰『脳天パラダイス』収録
2007/2/11 『今村製作所』により新宿MARZにて朗読
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