「あなたの手を選びたかった」/和 路流(Nago Mitill)
 
届かなかったから その思いを恋と呼び
叶わなかったから その願いを夢と言う
本当は ここを旅立ってしまいたかった
ただ 何も考えずに あなたの手をとって
あなたと共に いきたかった

誰もが孤独にならずにはいられない この広く丸い空の下
あなたの隣に立って 世界を共に旅することは
どれほど素晴らしいことだったろう 今でも目蓋に浮かぶ
記憶のなか鮮やかなのは 私が選ばなかった あなたの手

胸に猛る情熱の感情に すべてを捨て去ってしまえるほど私は幼くなかった
ここで 私が果たすべき役目 しなければならないこと 私のこんな不器用な生き方
分かっていて 答
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