箱/
Kj
僕は沢山の想い出を 小さな箱に押し込んで
その箱を 部屋の押入れの 一番隅に押し込んだ
暗闇の中で 唯一残った指輪を薬指にはめて
押しつぶされそうになりながら 僕は目を瞑る
真っ暗闇の中でたった一人
そっと僕は言葉をつぶやき、
言葉は宙を舞って 行き場なく消える ふっ、と
涙は ぽたんと 指輪に落ちて
僕は そっと 指輪をはずした
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