凍る病室/AKiHiCo
 
期待しているのは
寂しいので勝手ですが来ないようにと
頼んだのです
何かを楽しみにしながら見える死を
眺めているのは僕には耐えられません
僕の死に姿を見せるのも耐えられないのです


もうすぐ死んでしまう者に
希望など必要ありません
寡黙にベットの上で人形のように
チューブで機械に繋がれていればいいのです
キミとの思い出は綺麗なままにさせておいて下さい
幸せだった頃のまま止めておいて
そこで僕を消して欲しいのです


やがて僕の中の時計は動くのを止め
瞼は重たくなるでしょう
それはまるで鉛のように
何も無い世界に僕は放り出されて
どうすればよいのでしょうか
もし僕がその日を迎えたら
一輪のガーベラを手向けて下さい
全ては報われ憎しみは浄化されるでしょう
あらゆるものを許せる気がするのです
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