凍る病室/AKiHiCo
 

今日も天井の灯が部屋を満たします
もうここには来ないで、
キミにそう言いました
声がちゃんと届いていたかは
今となっては判りません
あの日以来
キミはここへ来なくなりました
これでよかったのだと
自分に言い聞かせながら瞼を閉じれば
涙が零れ落ちてしまいます


腕を伸ばせば繋がれたチューブが
重たく感じられます
まるで自分の身体ではないかのように
黄色い液体が内側に沁み込んでいるのでしょうが
何が起こっているのかは僕には判りません
ひとつ言える事は
日に日に僕は終焉に近付いているという事です


いつ止まるかも知れない身体で
キミが来るのを期待
[次のページ]
戻る   Point(3)