過保護という真綿/三架月 眞名子
は穿かないスリッパを押し付けられる
二十一歳にもなって・・・!!
そんな私が
いつ料理の練習などできようか?
そんなもの
ただの言い逃れだと
流されるだけのことなのだろうか?
もう二十一歳になった
傷つく覚悟は出来ている
ただでさえ
痛みに鈍い子なんだから
怖がる必要はないんだから
わかってはいる
母は痛みにとても敏感
血には人一倍の恐怖感
過剰反応
そんなだから
娘にもその痛みを与えたくないから
すべての凶器から私を遠ざける
でもねお母さん
あなたのまいた真綿が
私の首をきりきりと締め付けて
私はもう息ができない
血は流れていないけど
苦しくて
涙が滲んで前が見えない
どうか
私を解放してください。。。
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