お茶缶についてのひと巡り/たりぽん(大理 奔)
 

   お茶缶という思い出で

これから茶葉を
入れようとする缶も
きっとお茶缶だよね
それは素敵なことだね

   さいごに大切なことだ
   お茶缶に紙片をいれて
   お茶だ!と叫んでみても
   それはけっしてお茶にはならない
   お茶缶はね
   茶葉を入れるためにあるんだよ

お茶缶は自由な世界に
入れ物として生まれたのだから
何を入れられても
覚悟しなくちゃならないでしょ?

   ああ、そうだね
   覚悟しなくちゃならないね
   でも、お茶缶であるためには
   茶葉以外はいれちゃだめだ
   この缶にいれたら何でもお茶だと
   間違っちゃいけない

ああ、僕はお茶缶がいいな
茶葉の寄り添うところだ
あたたかいポットとカップが欲しいね
おいしい水を汲みに井戸にいこう

おいしい水を汲みに
ちょっとだけ遠回りしながら、井戸にいこう



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