1日/はじめ
太陽が傾いてものの影が鋭く伸びる
烏は飛び立ち夕日が熱を放出してふるふると震えている
烏は太陽の上を飛んだ 影によって真っ黒に塗りつぶされている
幼い僕は公園のブランコに乗っている
影が目の前のポールの柵に突き刺さったり抜けたりする
やがてブランコは揺れなくなり影は大人しくなる
僕の両手は鉄臭くなっている まだ届かない両足
僕はブランコを降りた 地面の砂が音を立ててブランコが微かに揺れる
もう帰らなくちゃ 僕は帽子を被っている
何もない日常 平凡な日々
でっかい太陽が下半分を濁らせながら沈んでいく
烏が鳴いた 僕もお家へ帰ろう
太陽が胸の中で輝いて
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