はさみ/チアーヌ
ずっと泣いていたら
とても疲れて
座った場所から
動けなくなってしまった
世の中には
どんなにがんばっても
どうしようもないことが
あるのだと
知ったあの日
ただ泣き続けた
大きな重い石が
体に取りついたかのように
ぺしゃんこに潰されて
朝になって昼になって暗くなっても
ただそのまま
ときどき泣き止めば
涙は枯れない
どんなに泣いても
体の半分を
なくしてしまったかのように
泣く
そしてわたしは
はさみを取り出して何度も切ってみる
何もかも切ってみる
呪いの言葉を嗚咽と共に吐き出しながら
何もかも粉々にしながら
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