「時を越える、やわらかな記憶」/和 路流(Nago Mitill)
なあ、この体は 魂の器なんだ。
だから、僕の真実は、
僕の声でしか伝えられない。
僕が死んだら
命無き僕の声は、もう 誰にも届かないけれど
きみの胸に、僕の声が残っていれば
僕の思いは、ここに残るだろう?
そのために 僕は歩くのをやめない。
たとえ、この世界が いつか 狂ってしまっても、
僕は生きて、そして、語る。
この息止まる、その瞬間まで。
なあ、この体は 魂の器なんだ。
そして、魂は 僕の記憶の器だ。
記憶のなかから思いを結晶させて、僕は歌を作る。
僕が死んだら
命無き僕の記憶は、もう どこにも残らないけれど
きみの手に
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