海へ/
たもつ
家の中に線路が開通した
これからは毎日
海へと向かう青い列車が
部屋を通過していくそうだ
最寄の駅はいつも利用している駅だけれど
春になったら小さなお弁当を持って
二人で海を見に行こう
君とそう決めた
お鍋の吹きこぼれる音がしたので
君が慌てて玄関から出て行く
百メートル先の踏切を渡り
また百メートル
キッチンに走って戻ってくる
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