「 鬼妙な果実。 」/PULL.
、
下半身を突き出して、
あなたがそうしていたように、
あなたに向かって尿をする。
食後の尿は黄色く濁っていて、
わたしはそれに満足する。
尿が終わると、
わたしは大きく足を広げ、
あなたの幹に跨る。
愉しめなかった夜明けには、
かならず跨る。
わたしは擦り付け、
あなたの幹を揺らす。
やがてわたしは溢れ出し、
あなたを濡らす。
あなたは溺れるように、
それを吸い上げる。
あなたが木に消えてから、
いくつもの季節が過ぎました。
いつか実るあなたの果実は、
きっとわたしの尿と、
あなたの肉の味がするでしょう。
了。
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