意識の中の旅/はじめ
 

 きっと無という名のブラックホールへ向かって
 意識という宇宙船は光のスピードで進み続けている
 赤の他人には孤独な流れ星に映って

 貴方が死ぬとこの意識は崩れ去ってしまう
 まだ意識があるのはきっと生きている為だ
 僕は記憶を辿りながら貴方の核を探し続ける
 少女は何処にいるのだろう
 何処に貴方はいるのだろう
 僕は途方もなく少女と貴方を探し続ける
 夜になっても朝日が昇ってきても僕は探し続ける

 僕の人生が終わりそうになった時に
 少女の姿をした貴方がいるのを見つけた
 貴方は微笑んで僕に手を差し伸べた
 僕の意識は貴方の意識と共に消えかかっている
 最後に僕は貴方に「ありがとう」と呟いた
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