過失少年/望月 ゆき
 
らせん階段をかけのぼり
幻影をつかむ
ジャンプしたら
地上がせまる


一転して、楽園の入り口


静寂を好む脆弱な聖者は
聖書を手に清純な青春をおくる
宙返りした中腰の天使は
抽象的な注文に忠実にしたがう


唱歌は空気を浄化する
狂歌に人々は狂喜する


入り口を目の前にして
小さく舌打ち


いいことばかり、つづくもんじゃないさ


手に入れたまぼろし
後悔の海を航海する




過失少年
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