抽象的な月が照らす暁/ジム・プリマス
抽象的な月が照らす暁
足元の地面に這う虫のように
この世界の隅っこで
ちょこまかと迷ったり
始終、立ち止まったりしている
小さな人生の主人公
つまり俺が
感じる小さな憤りや違和感は
ただ遷ろう影のようなものでしかないのだろうか
やがて象徴的な太陽が昇り
やがて象徴的な朝が訪れて
抽象的な月の元
中途半端な俺を取り巻く中途半端な闇は
やがて消え去り
俺が感じたこの感慨も
やがて意味を失う
強いタバコに火をつけ
吹き出した煙の影を追う
金曜日の暁
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