Insomnia Horror/流希-Яuki-
 
悪夢と呼ばれた少女




眠れない日が始まって
眠ることに怯えだして
眠らないことを意識し始めた


「カラン」

何かの音が脳に響いて
ゆっくり近づいてくる

「コロン」

すぐそこまで
あと少し

「聞いてる」

話す声が鮮明になって
誰も呼んでないはずなのに
どんどんと近づいて
意識が意識として感じない

少女の顔が見える

「―――シ――イ――――――ヨ」

ノイズが脳を揺らす


何も見えない




                 悪夢となった少
[次のページ]
戻る   Point(1)