白痴/
快晴
震えるこの手で
睡眠薬を飲み干した
何もない
広大無辺の夢の中へと
自分自身をいざなう為に
それでも震えは収まらず
やっと私は事実に気付いた
震えているのは
この手ではなく
この心だと
何もない世界へと
何もない世界へと
こうして祈りながら
私の心は
限りなく全てを求めてる
あぁ、なんて傲慢なこの心
あぁ、なんて自惚れたこの心
どうか今宵だけでも
この白痴たる私に
安らかな眠りを与えておくれ
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