ビーズ/水在らあらあ
にも行かなくていい
それなのに
ね
もう
お別れだね
さよなら
さよなら
青空の下で
くちづけて
元気に
手を振って
さよなら
さよなら
歩き始めて
なにも思っていなくて
後ろから
とび蹴りしてきた
おまえに
どうしたら
もう一回
さよならできるんだ
石油売りの軽トラが
月の砂漠を歌っている
遠くには富士山が白く嶮しく
冬の空を愛している
さよならだ
この冬に
おまえの氷のような胸に
そこに触れた熱い俺の指に
青い青いトンボ玉でできたおれたちの恋に
心には
おまえがくれた
冬の夜に映える
ビーズの星だけを灯して
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